アダルトチルドレンが「親に自分の気持ちを伝える」ということ

こんにちは。心理カウンセラーの高田です。(^^)

今日は、アダルトチルドレン（AC）に関するお話です。

アダルトチルドレンとは、子供時代に機能不全家族のなかで育ち、大人になっても生きづらさを抱えている人たちのことです。（詳しくはこちらをご覧ください。）

あるACの方は、完璧であることや優秀であることを親に強制されたかもしれません。

また、あるACの方は、親の愚痴や不満を毎日聴いてあげていたかもしれません。

また、別のACの方は、毎日のように親に暴力を振るわれていたかもしれません。

そういったACの方たちは、大人になってから親にされてきたことの理不尽さに気づき、怒りがふつふつと沸いてきて、親を拒絶する人も数多くいます。

もちろん、それは当然の怒りです。理不尽なことをされてきたのですから、思いきり怒っていいんです。

そして、その怒りを親に受け止めてもらいたい、自分の苦しみを分かってもらいたい、過去の過ちを認めて謝ってもらいたい、と思うことも自然なことです。

では、実際にACが自分の辛かった気持ちを親に伝えたり、怒りをぶつけたりするとどうなるでしょうか？

機能不全の家庭で育ったACの多くは親自身もACであったり、発達障害を抱えていたり、親自身が何らかの精神的な問題を抱えているケースがほとんどです。

そのため、自分の辛かった過去や今抱えている苦しみについて勇気を振り絞って親に話しても、親が感情的になって逆ギレしたり、泣きわめいたり、大変なことになるケースがとても多いのです。

そのように取り乱さないとしても、「そんな昔のことを蒸し返してもしょうがない」などと取り合ってくれなかったり、子どもの気持ちにまったく理解を示さない、というケースもあります。

このように、親との対話によって自分自身がさらなる心の傷を負ってしまったり、エネルギーを奪われてしまう可能性があるため、親に自分の本当の気持ちを伝えるときには慎重になったほうがよいと思います。

そもそも、「自分は子どもの頃にこんなに辛かったんだよ」と言われて、すぐに子どもの気持ちを理解し、心から謝罪するような親だったら、きっとあなたは今こんなに苦しんでいないはずです。

ACの家庭では、親自身が生きることに精一杯で、こころの余裕がなかった場合がほとんどだと思います。もともと自分に自信がなく、不安を抱えていて、家庭を持って親になってもそれは変わらなかったんです。

親自身の自己肯定感が低いので、子どもに少しでも否定的なことを言われると、自分の人生すべてを否定されたような絶望的な気分になってしまうわけです。

そのため、子どもが自分の辛かった気持ちを伝えても、親はそれを受け止める余裕はまったくなく、自分自身を守るために全力でそれを打ち消そうとします。

子どもを攻撃したり、反論したり、悲劇のヒロインになってみたり、無視しようとしたり、必死になって自分を正当化しようとします。子どもの言い分を認めてしまうと、自分の存在そのものが大きく揺らいでしまうからです。

これはすべてのACの親に当てはまるわけではありませんが、多くのケースでそのような傾向があると思います。

もちろん、自分に多くの苦しみを与えた親本人に自分の気持ちを受け止めてもらい、心から謝ってもらうことができたら、それは大きな癒しになるでしょう。

でも残念ながら、そのようなポジティブな結果になるのはレアケースといっていいと思います。

大切なことは、あなたがACの状態から回復していくことです。親に自分の辛い気持ちを分かってもらうことではありません。親に謝罪してもらう必要もありません。

いま、あなたの親がどういう考えや価値観を持っていたとしても、あなたのことをどんなふうに扱っていたとしても、あなたの回復には全く関係ありません。

あなた自身が過去の傷ついた自分を癒し、自分のなかに取り入れてしまった否定的な価値観や思い込みを手放していけば、ほんとうの自分を取り戻すことができるんです。

あなたがACから回復するためには、親の助けは必要ありません。

あなたには、とてつもなく大きなパワーが備わっています。そのパワーがあなたを癒し、回復させてくれます。

そのパワーを目覚めさせるには、自分をしっかりと見つめる必要があります。

自分を見つめることは、簡単なことではありません。苦しくて目を背けたくなることもあるかもしれません。

それでも自分を深く見つめ、過去の自分を癒し、不要なものを手放していけば、ほんとうの自分を取り戻して自由に生きられるようになれます。

自分を絶対にあきらめないこと。それがとても大事なことです。

あなたが本気で自分を取り戻したいのであれば、全力でお手伝いをさせていただきます。(*^_^*)

心理カウンセラー　高田奈津子